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序文:女性と持続可能な開発

 

女性と男性の十分なそして公正なパートナーシップ(協力関係)なくして、人口問題の解決はありえず、社会開発の達成と、環境と調和的な持続可能な経済開発はありえないことを確信する。このようなパートナーシップを実現するためには、アジアの女性と少女に対する教育機会の増大および経済的可能性の拡大による生活のすべての面−経済、社会および政治−における女性のエンパワーメントが必要である。このことは、女性の地位の向上、選択肢の拡大、および彼女等の人生の自己決定を行う機会と能力の向上につながる。
私たちは、人口、持続可能な経済成長、社会開発および安全と平和は相互依存的かつ相互補強的な関係にあり、急速な人口増加の低減、貧困の撲滅、環境保護、雇用創出、失業の減少のために努力しなければならない、ということを認識している。
私たちは、家族が社会の基本単位であることを確信し、人間の制度としての家族の存続が脅威にさらされている兆候に注目する。力(権力)の配分、ジェンダー(社会的な意識としての男女の差)、そして所得の不公正が相互作用し合って、家族の中でそのすべての成員に、ストレス、緊張、暴力を引き起こしている。従って、ジェンダーにおける公正性の改善に対する努力、および効果的な人口プログラムならびにその他の開発プログラムの実施が、家族の崩壊を防ぐうえで必要不可欠であることを強く主張する。
貧困と人口の急増、乳幼児・妊産婦の高い死亡率の相互関係を理解し、域内の国々に対してカイロで合意された目標をより早く達成するよう強く求める。
人権尊重なくして急速な人口増加の抑制、環境の面から見た持続可能な開発パターンを実現することはできないであろう。
私たちはまた、これらの目的は平和と正義なくして達成することはできないという事実に注意を払うよう呼びかける。女性と子供は、戦争や紛争によって常に真っ先に犠牲となり、それに伴って生じる社会的な不安定性と、引き続く貧困のなかで特に強い被害を被り続けるのである。これらの目標は、平和と正義なしには達成できないということに我々は注目する

 

 

 

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